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Cash Cow
日本CFO協会イメージキャラクター
“キャッシュ・カウ”
「ところでこの牛は何?」
CFO協会を立ち上げてから、いろんな人に聞かれます。「キャッシュ・カウです。」と答えると、「なるほど!」と納得してくれる人もいれば、よりわからないという顔をする人もいます。
<キャッシュ・カウとは>
キャッシュ・カウとは、ボストンコンサルティンググループが開発した経営戦略策定のためのスキーム、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)にでてくる言葉で、「市場成長率の低い成熟市場で高い市場シェアをとった商品」のことです。事業をキャッシュ・カウにもっていき、キャッシュ・カウが生み出す利益で新商品に投資するというのが成長に向けたビジネス・サイクルです。ビジネススクールに行ったことのある人からすれば「キャッシュ・カウ」は常識のようですが、日本語では「金のなる木」と訳されていますので、そのほうが一般的なのかもしれません。
  市場のシェア
高い 低い
市場成長率が高い スター(花形商品) クエスチョンマーク(問題児)
市場成長率が低い キャッシュ・カウ(金のなる木) ドッグ(負け犬)
もっとも、「キャッシュ・カウ」を知っていたって、「だから何で協会のキャラクターなの?」と思うはずなのですが、そこまで聞いてくる人はいません。
<キャッシュ・カウの由来>
この牛のキャラクターですが、実は米国AFPがキャッシュ・マネジメントのCD-ROM教材に使っていたものなんです。社長キャッシュ・カウ氏が代々受け継いだアイスクリーム工場の経営を良くしていくというストーリー仕立ての教材で、たぶん1998年くらいに米国で発売したものです。AFPのCCM資格(Certified Cash Manager、今はCTP資格:Certified Treasury Professional)を日本にもってくる際に、教科書や試験問題などライセンスの対象を選んでいたときに、是非この牛をキャラクターに使いたいと言って譲ってもらったものです。
実はこのキャッシュ・カウは日本のデザイナーに描き直してもらったものです。原画はこうです。
なんというかアメリカっぽいのですが、タッチがリアルでややグロテスクな感じがします。人によっては「こっちのほうが可愛い」という変わった方もいらっしゃいますが、私もこっちのほうが好きです。
もう亡くなられてしまいましたが、ヤマト運輸の小倉昌男さんの本の中に、やはり米国の提携先が「親ネコが子ネコを咥えてやさしく運んでいる絵」を会社のマークとして使用しているのを見て、キャラクターのマークを使う運送会社など無かった時代、これに感銘を受けた小倉さんが許可をとって日本ぽくデザインし直したのが今のクロネコマークだということが書いてありました。このアメリカのマークもリアルな絵で、しかも三毛ネコでした。だからどうだということでもないのですが、尊敬する小倉さんと少しでも共通点があるようでとても満足しています。小倉さんには、CFOFORUM誌の巻頭コラムにご寄稿頂いたことがあるのですが、そのときにこの話を知っていればお話したかったなと、今更ながら悔やまれます。
<キャッシュ・カウは事業の成功のシンボル>
ちょっと脱線しましたが、ともかく“キャッシュ・カウ”という事業の最終ゴールを具体的に映像化したのはおそらくこの牛が最初でしょう(それに意味があるのかは別として)。CFO協会のイメージキャラクターとして徐々に認知されつつあるこのカウですが、“事業をキャッシュ・カウにもっていくための経営をサポート”し、“次の再投資のための資源配分をリード”する財務のプロに、ますます集まって欲しいという思いをこめて、これからも登場します。
(谷口)